海の写真

HIGHLIGHTS

展示構成

海を知り、未来を考える。
この春、名古屋で開催!

海は、水惑星地球の象徴であり、地球上のあらゆる生命のみなもとです。海は、様々な物質とエネルギーを運び、そこに成り立つ生態系を育んできました。また、私たち人類は、海のめぐみを享受すると同時に、海の厳しさを乗り越えることで繁栄してきました。そして現代では、人間活動に伴う環境への影響が、海でも様々な変化として顕在化しています。

私たちの身近にある「海」の誕生から現在について、多様な生物や人と海の関わりを紹介し、さらには海との未来を考えていく特別展を開催します。海で生まれ、進化し、海のめぐみとともに生きてきた生物の姿を知ることで、私たちが今後どのように海と関わっていけばいいのか、そのヒントも見つかるかもしれません。

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しーちゃん

1
海と生命のはじまり

そもそも、地球になぜ海が存在するのかを理解するためには、地球における水の起源を解明しなくてはなりません。地球の水の起源物質は、小惑星「リュウグウ」から得られた試料の分析から多くの新知見が得られつつあります。

本章では、始原的隕石から太陽系惑星に至る水の起源、地球史における海の誕生と進化、そこで育まれた現在の私たちにつながる初期生命の生態系について最新の研究成果と標本を使って紹介します。

生命起源の場、約40億年前の深海熱水活動域をジオラマで再現!

展示イメージ
※東京展の様子
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うずっぴー

2
海と生き物のつながり

日本列島周辺の海は、現在の地球の海を特徴づける要素が、ほぼ全て揃っていると言われています。プレートの沈み込みに伴う海溝沿いの超深海から非常に活動的な火山列島などの沿岸域まで、多様な地形で構成されているためです。そして、そこを流れる世界最大規模の海流である黒潮は、単に海水の移動にとどまらず、エネルギーを輸送し、日本周辺の気候に影響を与え、陸上を含めた多様な生物を育んでいます。

本章では、日本列島周辺の海底を形作るプレート運動や火山活動などの活動的な地学現象、黒潮を含む海流が生み出す大規模な海洋循環を解説し、それらが生物の分布や多様性にどれほど影響し、大きな広がりが生まれているのかを紹介します。

高さ約4.7m!
ナガスクジラの上半身標本が会場に出現。
クジラの“潜る・浮かぶ”の垂直運動「ホエールポンプ」が海にもたらす効果とは?

ナガスクジラ上半身標本(※東京展の様子)
ナガスクジラ上半身標本(※東京展の様子)
ナガスクジラ
ナガスクジラ
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ぽよよん

黒潮と親潮が育む日本の海の豊かな生態系。多数の剥製や標本で解説!

〜南の海の生物〜

アカエソ
①アカエソ
オオモンカエルアンコウ
②オオモンカエルアンコウ
ナミマツカサ
③ナミマツカサ
ハナミノカサゴ
④ハナミノカサゴ
①、②写真提供:神奈川県立生命の星 地球博物館/①、②撮影:内野啓道/ ③、④写真:国立科学博物館

〜北の海の生物〜

ニシン
⑤ニシン
ホッケ
⑥ホッケ
エゾメバル
⑦エゾメバル
マダラ
⑧マダラ
⑤、⑥写真提供:神奈川県立生命の星 地球博物館/⑤、⑥撮影:瀬能宏/⑦、⑧写真:国立科学博物館
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どろやん

3
海からのめぐみ

人類史における海とヒトの関わりは食料や貝殻を装飾品などとして利用することから始まりました。やがて外洋航海技術を発展させると、海を渡って新たな大陸や島嶼への移住を実現させました。特に島嶼では、多様かつ豊富な海産資源を利用する文化が生み出され、ヒトは海とより深く関わるようになりました。

現代では、海からのめぐみはさらに大きなものになっています。海運物流なしにはもはや人類の生活は成り立たちません。さらに人類は、北極海の活用や深海にある鉱物資源の回収まで見据えています。本章では、水産資源の利用にとどまらない様々な「海からのめぐみ」について人類史を通じて紹介します。

人類はどのようにして日本列島へ渡来したのか?
3万年以上前の大航海を再現実験したプロジェクトを紹介!

3万年前の航海 徹底再現プロジェクトで使用された丸木舟(所蔵:東京都立大学)
3万年前の航海 徹底再現プロジェクトで使用された丸木舟
(所蔵:東京都立大学)
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しーちゃん

4
海との共存、そして未来へ

人類は、これまで海から様々なめぐみを享受してきました。一方、近年では、人間活動に伴う環境変化が、海でもあらゆる形で顕在化しています。水産資源の枯渇、海洋酸性化、貧酸素化、そして海洋プラスチック汚染…。海で進行するこれらの変化を紹介するとともに、科学技術や我々一人一人の行動変容で、持続可能な形で海を活用していく取り組みについて紹介します。海のめぐみとともに生きてきた人類が、今後どのように海と関わっていけばいいのかを考えるきっかけとなることを期待します。

クジラの胃から発見された海洋プラスチック(写真:国立科学博物館)
クジラの胃から発見された海洋プラスチック
(写真:国立科学博物館)
海を利活用するだけでなく、海を保全する活動も世界各地に広がっている。
海を利活用するだけでなく、海を保全する活動も世界各地に広がっている。
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ぽよよん

本展監修者

国立科学博物館
  • 田島 木綿子(動物研究部 脊椎動物研究グループ 研究主幹)
  • 谷 健一郎(地学研究部 鉱物科学研究グループ 研究主幹)
  • 藤田 祐樹(人類研究部 人類史研究グループ 研究主幹)
海洋研究開発機構
  • 藤倉 克則(地球環境部門海洋生物環境影響研究センター)
  • 川口 慎介(地球環境部門海洋生物環境影響研究センター)
  • 野牧 秀隆(超先鋭研究開発部門超先鋭研究開発プログラム)
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